Android ユーザビリティセミナー 2010( #android_ui )に行ってきた

日経BPさん主催のAndroid Usablity Seminar 2010に行ってきました。貴重な話が満載で、とてもためになりました。みなさまありがとうございました。
会場は満員御礼でした。講演のあいまにはBGMが流れて、いい雰囲気でした。ペットボトルで水を配布していて、いたれりつくせり。

全部はメモれなかったのですが、メモれた部分を載せておきます。

個人的に、とくに参考になった点。

  • ユーザビリティ調査は、最終確認ではなく企画の段階で行う
  • Androidの機種によってはBackボタンが平らなので、誤って押しやすい。
  • FlashからAIR for Androidへの移植は簡単。

日時:2010/11/27(土) 13:00 〜
場所:TKP代々木ビジネスセンター

「使いやすさをデザインするということ」講師:山中俊治

山中さんについて
  • 山中さんは、Androidはさっき触ったばっかり。なので、違った視点からのアプローチ
    • プロダクトデザイン
    • Suica自動改札機アンテナ面の最適化を担当
    • パラリンピックの義足を担当など
  • プロダクトデザインとは?
    • 色や形以外にも、人間と接する部分のあらゆるところに責任を持つ。
    • ほとんどのところに責任を持つ。
Suica自動改札機アンテナ面の最適化について
  • エラーが続出して暗唱に乗り上げた。JRに相談された。
  • 新しいデザインに対するユーザビリティの直感はたいがい外れる
  • 「こういうふうに動作するのでは?」と思ってもらえる形を探る。
  • 人は一度間違えたメンタルモデルはなかなか修正されない。間違ったままでも出来てしまうので。
  • 試行錯誤の結果見つけた答え
    • 光ってるものに人はひきつけられる
    • 傾き
    • 警告面は遠くにする(紛らわしいので)
ユーザビリティ調査のポイント
  • 二度とやれないことが多い。周到に準備する。(一発でいい結果を得る!)
  • 被験者に負担をかけないよう配慮する(けっこう重要)
  • 話が噛み合わない。なぜか?
    • それぞれが自分のメンタルモデルに基づいて話すので、話しが噛み合ないということがしばしば起こる
  • 記録装置と多数の観察者(あのときどんな表情してた?あれも計っておけばよかった、とならないように)
  • 順番にやってもらう。(他の人のを見ちゃうので)
  • マニュアルを用意する。(被験者が来るたびに説明。まったく同じ説明じゃないと調査の意味が無い。)
  • できるかぎり使用環境に近い状況を。(観察者がたくさんいるからプレッシャーになるけど)
  • ユーザビリティテストは、最終確認ではない。企画の一環である。
    • フレキシブルなプロトタイプを用意する(早めに!)
    • 小数の被験者を丁寧に観察する。(たくさんの人を集めるのは、マーケティング的な意味合いが強い。なぜ使われないか?など)
    • 観察の直後にアイデアを出し合い、速やかに実装、再び調査を!
    • 使うシーンを他人と共有するのが大事。他人の目の前で使ってみることが大事。
    • 被験者の行動を関係者全員で観察する。(話が噛み合わないのは、それぞれの体験が共有されていない)
  • キーパーソン(クライアント、最終決定者など)に参加してもらう。(報告書だけじゃ意味ない)
  • 自分が作ろうとしているものが、ユーザーに接した瞬間になにが起こるか?を目の当たりにする。
お財布ケータイの実験。
    • ケータイを反応させるのは、やめた。技術的な制約もあるし難しい。
    • リーダーライターが重要だった。
    • 初期は、音はビー!といううるさい音だった。これだとユーザーは二度と使わなくなっちゃう。
キッチンツールのメーカー オクソ
    • 日本の写真を見てビックリ。レードルをペンのように持ってる!アメリカではシェイクハンドグリップ(テニスのように)
    • 大根おろしのユーザービリティ
    • 昔の職人がつくったものでは空回りしない。
    • 機械で作ると、レールができてしまう。
    • 日本のキッチンは狭いので、立つように設計した。
    • 3000円近いけどヒット商品に!
  • ユーザビリティ調査について。時間がないときどうするの?
    • 被験者を減らす。ひとりでもふたりでもいいから関係者じゃない人。
    • クライアントに参加してもらう。(時間が短縮できる)
ユーザビリティの失敗例。
  • 新幹線の改札機。
    • 二枚入れる、というメンタルモデルは人間にない。
    • 床に赤い文字で書いてもだめ。人を何人も立たせて運用している。ユーザビリティが失敗するとコストがかさむ。
iPhone Baby
    • いっさい四ヶ月の子供でもiPhoneがしっかり使える!
    • なんでこんなことが可能なのか?を考えてみる。
    • 子供は、言語的なルールを理解できない。
    • ボタンが2つとか三つあるとだめ。
    • なにをやってもまずいことにならない、というのは重要。
    • すいすい操作できるようになるまでには、たくさん失敗している。
    • 長押しするとアプリケーションが消える、というファンクションは機能しなかった。警告がでても、喜んで押してしまう。
FAQ
  • Q.ひとりだけにするならどんな人がいいか?
    • リアクションが大きい人がいい。
    • ターゲットの平均的な人。ほんとだったら、太ってる人とか年配の人とかも入れたい。
  • Q. ユーザビリティの文脈はどれくらいで変化するのか?赤ちゃんはタッチパネルネイティブ。自分達は、紙とペン。
    • A.こういうときはこういう風にふるまうんじゃないの?とわかったきになるけど、半年で結果はかわってしまう。
    • ものの普及が変えてしまう。携帯電話に関してはとくに。
    • キッチンツールは、一年経っても二年経っても変わらない。

Flash PlatformによるAndroidアプリ開発のこれから 講師:池田泰延氏

Android2.2からFlashが使えるようになった。

Adobe MAX 2010のレポート
  • FlashPlayer はGPUが熱い!
  • 新しい3D API Molehillは、0%CPUになる。GPUで処理
  • DirectX, OpenGL 1.3, ES2, ソフトウェアレンダリング
  • 今は数千のポリゴンしか処理できないけど、数十万。
  • StageVideo表示するところまでGPUで処理できる
2. Adobe AIR 2.5

「ユーザービリティと満足度向上の勘所」講師:工藤重人氏

  • デザイン・イン型UI開発と3Dの活用
  • デザイン・インとは?
    • デザイナーとかマーケッターとかがなるべく速い段階で
    • エンドユーザーを意識
  • 3Dレンダリングエンジンの紹介、デモ
  • Q.3Dをインターフェースとしてどのように効果的に使うか?
    • A.ジレンマのある部分。まだユーザーはついて来れない。徐々に導入する。まずは、画面が切り替わるときだけ3Dにするなど。

アメーバピグ」に見るデザイナーと開発者の協業 講師:切通伸人氏/馬場絵美氏

PC版をAndroidでみたときの問題点
  • アドレスバー邪魔
    • フルスクリーンモードやjsポップアップでは解決に至らなかった。
    • キーボードが消えない!
    • 小さいアイコンが押せない
移植に伴うデザインの見直し
  • ボタン数を並べる。PC版では数十個あったけど、そこから9つに絞った。
  • 四隅があくので、そこに配置する。
  • 主要機能はアイコン化。
  • 一般的なボタンのサイズ75px。
    • プラス、余白を多めにとる。margin20pxで、115px。ミスタッチをひろう。
    • リストの立て幅は75px。これより少ないと、ミスタッチが増える。
  • ボタンはヨコ配置が基本。タテ配置にすると指で隠れてしまう。
  • タテ配置は、十分間隔を取る。
FlashAIR for Androidの移植性
    • マウスホイールがないので、タッチムーブで対応。
    • マウスオーバー、ロールオーバーはタップオーバーで判定してくれた。
    • ダブルクリックはダブルタップ。
  • backボタンは、機種によってタッチタイプのボタンなので、誤って押されることがある。
マーケットフィルタ

galaxy Sには5方向ナビゲーションがない。
で、trueにしているとGalaxy Sのマーケット検索にひっかからない!

課題
    • 画面サイズへの対応。